1900s-1930s

第一次世界大戦(1914-1918)、世界恐慌(1929年)、第二次世界大戦(1939-1945)の時期。

1923年にノーズパッド(鼻パッド)が発明されます。それ以前はサドルブリッジ(一山)タイプのブリッジしかなかったのが、この発明のおかげでメガネの着用感が飛躍的にアップします。

1929年の世界恐慌の時期には、それまで宝飾業界にいた彫金師がメガネ業界に流れ込み、メガネに彫金が入れられるようになります。複雑な彫金が入っていたり、彫金の入っている面数が多いフレームは当時の販売価格も高く設定されていました。

【FUL-VUE】

1930年。それは当時、世界最大の眼鏡メーカーであったアメリカンオプティカル(AO)が「FUL-VUE(フルビュー)」という新たなスタイルの眼鏡フレームをリリースした年。1930年代、1940年代のアメリカを席巻することになるフレームです。

1920年代まではヒンジがフロントの中央に付けられた「SIDE-MOUNT(サイドマウント)」と呼ばれるスタイルが主流でした。しかし第一次大戦を終えた当時、T型フォードの成功によって世界で最も早く自動車が大衆に普及し始めたアメリカにあって、運転時の視認性が良い眼鏡の誕生は必然的とも言える物でした。

ヒンジがフロントの上部に付いているおかげでサイドの視界が開けているこのFUL-VUEというスタイルは、1920年代後半にAOが特許を取得し、1930年にリリースしたのが始まり。1930年代、40年代に大ブレイクしました。

FUL-VUEには通常のフルフレームモデル以外にもいくつかの代表的な3つのスタイルがありました。レンズの周りのリムが全くなくブリッジとテンプルのみのRIMLESS(リムレス)、レンズをブリッジ部分のネジ1箇所のみで留めたNUMONT(ヌーモント)、レンズをブリッジとテンプルとの2箇所で留めたRIMWAY(リムウェイ)です。これらのスタイル名も、フレームにしっかりと刻印されています。

その後、AOにライセンス料を払って、アメリカの主要な眼鏡メーカー各社(B&L、SHURON、ART CRAFT等)がこのFUL-VUEスタイルの金張りフレームをリリースしました。

【1/10 12KGF】

「GF」とは「GOLD FILLED(金張り)」の略。「1/10 12KGF」とは10分の1の厚さで12Kが貼られているという意味で「1/20 10KGF」など他にもバリエーションが存在しますが、アメリカに限って言うと1950年代頃まではほとんどの金張りフレームが「1/10 12KGF」。イギリスやフランスのアンティークフレームでは違う配合(金の分量はアメリカ物より少ない)ですので、この配分がアメリカンアンティークを象徴する数字と言えます。

レイバンは1940年代から1960年代までは変わらず「1/10 12KGF」が使われていました。その後1970年代初期には「1/20 10KGF」、70年代中期には「1/30 10KGO(GOLD OVERLAY)」、その後は24金メッキ、と金の厚さがどんどん薄くなっていきます。

金張りのメンテナンスは意外と知られていませんが、当店では温かいお湯で洗浄します。宝飾業界ではスチームを用います。

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